今年の10月頃には、金融マーケットで大震動が起きるのではないかと思っていたが、早くも暑い夏に起きてしまった。金融マーケットの波乱の影響が、リーマンショックの様な世界経済に波及するような最悪の事態に陥らないことを切に祈りたいものだ。
〇相場の格言に、「
強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」というものがあります。これは米著名投資家ジョン・テンプルトンの言葉で、株式市場について、多くの市場参加者が悲観的になっている時が買い場であり、逆に楽観的になっている時が売り場である、ということを意味しています。
〇8月2日の東京マーケットは、「ブラックマンデー」以来の、史上二番目の下げ幅を記録。「米国経済の減速懸念に加え、今後も円高が進むと見た海外投資家の一気売りが大きな要因」との市場観測だが、目先的にはやや下げ過ぎの感もあるだろう。(日経先物CMEは、深夜に前日比34500円(1400円安)まで売られている)。これだけ最高値からの下落幅が大きければ、不安心理がかさみ、「戻り待ちに戻り無し」の市場展開が想定される。短期的には38000円くらいまでの戻り??を狙って慎重な資金運用が必要だろう。

〇米国の金融引き締めと日本の低金利政策が招いた「円安ドル高」の構図が、今回の日銀の金利政策によって大きく転換した。日銀総裁のタカ派的な発言とFRBの年内二度の利下げが予想されている現在の環境からすれば、もう一段の円高が予想される。金融政策による「円安ドル高」は完全に終焉を迎えたと言っても良いだろう。

〇
世界的なインフレトレードからの資金引き揚げの一環で日本株が売られているとの見方をJPモルガン証券の高田将成クオンツ・ストラテジストは示す。「ハト派的なパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が、インフレトレードからの即時撤退にお墨付きを与えた可能性がある」と高田氏はみている。インフレトレードとは、インフレヘッジできる資産を買う取引で、インフレ連動債の上場投資信託(ETF)やコモディティ、高配当株などの取引を指す。グローバル投資家の間では、この中に日本株も含まれている。これまではグローバルでインフレのときでも、日本では基本的に利上げはできず、その結果として円安になり株高になるという傾向がみられ「期待インフレが高まる中で日本株がアウトパフォームすることが、この20―30年の通説だった」(JPモルガン証券の高田氏)という。フランス系資産運用会社コムジェストのポートフォリオマネージャー、リチャード・ケイ氏は「この1-2年の間に日本株に入った海外短期筋のマネーが逃げていることが主な要因だろう」と、株安の背景を説明する。この日の業種別の下落率では、証券や銀行、保険などの金融株が1―3位を占めた。日銀の連続利上げが見込まれる中での大幅安を、松井証券の窪田氏は「日本株が叩き売られていることの現れ」とみる。コムジェストのリチャード氏は、日銀が追加利上げに動いたことで「(海外短期筋にとって)好材料出尽くしになった」ためという。J
Pモルガンの高田氏は、インフレトレードの巻き戻しのほか、予想外の日銀タカ派化で日本の景気失速を市場が織り込み始めたことや、膨らんでいた円ショートや日本株ロングのポジションがいずれも急速に巻き戻された結果、日本株は大幅に調整しているとも指摘している。積み上がったポジションが調整を終えるには1─2週間ぐらいかかるのではないかとコムジェストのリチャード氏はみている。 一方、全体相場が大きく調整した中でも、日本製鉄やコナミグループ、アステラス製薬など直近に決算を発表した銘柄群は上昇した。「物色意欲は払底したわけではない」としんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャーは指摘している。 足
元の相場はパニック的な動きのため3万5000円程度への下落はあるかも知れないものの、株価収益率(PER)はデフレ時の過去平均並みの水準に低下してきたとして「きっかけがあれば短期間で反発する余地はある」と、藤原氏は予想する。