今日は、小春日和の中を大宰府周辺から四王寺山を歩いて春の気配を尋ね歩いて来た。
政庁跡(11:40)~榎社~大宰府天満宮~政庁跡(14:30)。歩行距離11.3km。
隈麿公のお墓の傍らにある梅の木は、花びらを6枚つける花があることから「六弁の梅」として地域に愛されてきました。少し早いかなと思っていましたが、二輪の六弁の花を見つけることが出来ました。
〇隈麿公・・・大宰府に左遷された道真は、隈麻呂と紅姫という二人の子を連れていました。府の南館の生活は不自由で苦しいものでしたが、愛らしい幼児二人が道真の唯一の心の支えであったと伝えられています。しかし、過酷な生活の中で、左遷の翌年、隈麻呂は病にかかり急逝しました。榎社の東側、納骨堂の建つ小高い丘の上に、「隈麿之奥都城」とされる墓と六弁の花をつける梅の古木があります。また、隈麻呂の姉、紅姫のその後は定かではありません。一説には隈麻呂に次いで翌年道真も亡くなったので、土佐に流された道真の長男高視の元に向かったといわれています。榎社の社殿裏には「紅姫の供養塔」と言われる地蔵石像が、「隈麻呂の墓」から東へ徒歩4〜5分の所にも、同じく「紅姫の供養塔」といわれる板碑があります。その板碑には梵字が刻まれています。大宰府天満宮の「飛梅」は開花が昨日のニュースで報道されていました。
〇飛梅・・・飛梅(とびうめ)は、太宰府天満宮の神木として知られる梅の木の名称である。樹齢1000年を超えるとされる白梅で、本殿前の左近(本殿に向かって右側)に植えられており、根本は3株からなる。太宰府天満宮に植えられた梅のなかではいちばん先に咲き始めるとされる。飛梅は元来、菅原道真の配所(府の南館)跡に建立された榎社の境内にあったが、太宰府天満宮が造営されると本殿前に移植されたといわれている。このほか、後代に道真を祭神とする神社に株分けされたものが各地に現存する。
四王寺山のセリバオウレンの開花株は、今年は現状では昨年と比較してかなり少ない。先日同様に6株程度開花していた。来週は宝満山と天拝山に観察に行ってみよう。
早くも下弦の月。夜明け前の岩屋城跡で眺める。
「春は曙」・・・穏やかで迫力の無いご来光風景だった。
一旦帰宅後に、午後から散歩に出かける。目的は「六弁の梅」と「飛梅」の開花を鑑賞することだった。榎社と王城神社に参拝。
〇王城神社・・・「王城(おうぎ)神社」は、太宰府市通古賀区にある神社で、大国主命(おおくにぬしのみこと)の子で“えびす様”としても親しまれている事代主命(ことしろぬしのみこと)をお祀りしています。「王城神社縁起」によれば、神武天皇が事代主を祀ったことが起源となり、665年以降、王城山(四王寺山)の神である“王城大明神”と崇め奉られたと伝わっています。
住宅地の中にひっそりと佇む小さな王城神社ですが、実はとても歴史が古く、由緒ある神社なのです!明治5年には旧水城村の村社に定められ、九州で最も古いえびす様として親しまれています。また王城神社では、毎年11月の第1もしくは第2日曜日には「
真魚箸神事(まなばししんじ)」が行われています。これは神前に供物を献じる際に、真魚箸を用いて供物の鯛に手を触れることなく調理する儀式です。かつてはよく見られていた儀式ですが、今ではとても珍しいものなので、この機会に参拝してみるのもおすすめです。
隈麻呂公のお墓で六弁の梅を眺める。昨年と同じ枝と頭の上の枝で何とか二輪の「六弁の梅」の開花を鑑賞することが出来た。
〇「清明の井戸」・・・平安時代中期の有名な陰陽師 安倍晴明(あべのせいめい)の神託により開かれたといわれ、どんな日照りの時でも水が涸れないといわれています。
「大宰府天満宮」。境内のタチバナの実。大宰府天満宮では「初天神祭」の神事が行われていた。
〇初天神祭・・・
ご祭神 菅原道真公にご縁のある毎月25日を「天神さまの日」として、御本殿にて祭典が斎行されます。その中でも一年の初めとなる1月25日は「初天神祭」として斎行され、とても大切にされてきたご縁日の祭典です。 〇タチバナ・・・
日本に自生する唯一の野生ミカン。奈良、平安時代には伊豆半島以西の本州、四国、九州及び沖縄に普通に分布していたが、現代では海岸沿いの山地や樹林内に細々と生き残る。野生のタチバナは環境省の定める絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、大規模のタチバナ群落がある高知県室戸市(旧安芸郡)の室戸岬亜熱帯性樹林や同県土佐市の甲原松尾山は国の天然記念物となっている。
京都御所紫宸殿の前庭には平安時代から「左近の桜」と共に「右近の橘」として植えられ、右近衛府の官人が陳列する基準となった。現代ではタチバナの栽培品種が使われており、原種よりも大きな実がなる。
タチバナは常緑樹であり一年を通じて葉が緑色であることや黄色い実が比較的長い間、枝に残ることなどから縁起の良い木とされ、葉と果実をモチーフとした橘紋は橘氏や武家の井伊、黒田氏等の家紋として使われた。また、万葉集、伊勢物語、源氏物語、枕草子といった古典にもしばしば登場し、この木に宿るとされるホトトギスは「橘鳥(たちばなどり)」との異名を持つ。政庁跡の紅梅。クロガネモチの実。
政庁跡のシナマンサクがかなり開花してきた。すっかり春の訪れを感じた散歩道だった。
市街地から眺めた宝満山の遠望。宝満山へご来光登山をしたいとは思っているが、あの石段の上り下りを考えると、なかなか足が進まなくなってしまった(笑)。一の鳥居からだと1時間はかからないのだけど、とても長い時間を歩いてるような気分になる。セリバオウレンの花も気になるが、ことしはもう良いかな(笑)。明日から海を眺めに佐賀・長崎方面へ走ろう。