早春の熊野古道・・・その2
2012年 03月 27日
「なにごとの おはしますをば 知らねども かたじけなさの 涙こぼふる」
西行法師ならずとも、熊野の神々、自然に触れ、目的地に到達した時には、無欲無心の境地に達している自分を見出すことでしょう。と、観光案内のパンフレットには記載されてあります。やっと実現した熊野古道歩きでしたが、今直ぐにでも、全ての古道を歩いてみたい心境になりました。
「大雲取越」は熊野那智大社、青岸渡寺の裏手から始まります。延々17キロの「雲の中を行くが如き」ルートです。

熊野那智大社の起源は、那智の大滝を信仰する自然崇拝に始まり、現在地に社殿を移したのは四世紀、仁徳天皇の頃と伝えられています。

青岸渡寺は「西国三十三番観音霊場」の第一番札所です。インドの僧裸形上人によって開基されたと伝えられています。織田信長の焼き討ちにあいましたが、豊臣秀吉により再建されました。

山路のいたるところにバイカオウレンの花が沢山咲いていました。不思議なことに「小雲取越」には全く咲いていませんでした。

川の傍の湿地にはキイハナネコノメソウも咲いていました。

苔むした山路では沢山の石仏に心を癒されます。「語り部」さんが、一つ一つ丁寧に説明してくれますが、なかなか全てを一度に暗記出来るものではありませんね。「熊野は一日にして成らず」です。

船見茶屋跡からの展望です。那智高原、妙法山の展望が広がります。船見峠が大雲取越の最高点になります(883m)

越前峠(870m)から終点の小口(65m)までは標高差800mの延々とした下りが続きます。前日の雨で苔むした山路が滑りやすくなっている危険な個所もありました。

ヤマザクラも疲れた身体を癒してくれます。紀州は梅の産地として有名ですが、大半の梅の開花は始まったばかりでした。

円座石(わろうだいし)まで来れば終点真近です。「わろうだ」とは円形の座布団のことで、大石の上に熊野の神々が座って談笑したり、お茶を飲んだといういわれが伝わっています。大石には梵字三字が彫られており、それぞれ阿弥陀仏・薬師仏・観音仏をさしています。周囲は木々に囲まれ、神秘的な雰囲気が漂った場所です。

終点の小口に到着したのは17時でした。宿泊は小学校を改築した「小口自然の家」でした。とても美味しい山菜料理でした。


